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知ることで、まちをどんどん好きになる『障がい理解交流会』を開催しました!

2019年9月10日、「知ることでまちをどんどん好きになる!」プロジェクトの第二回目、障がい理解交流会を開催しました。

今回は、障がいのある3人のゲストスピーカーと参加者24人が集まりました。

全体レポート

身近なまちの中に暮らしているけれど、普段関わる機会のない人同士が対話し、表面的ではない理解が生まれることで、参加者の行動が変わるのか?

このような実験的な試みの一環である『知ることで、まちをどんどん好きになる』プロジェクト。

まずはその会の趣旨・注意事項の説明から始まり、ゲストスピーカー3名のお話へと続きました。

碇谷 純子さん(途中失明)、盲導犬ジーン
碇谷 純子さん(途中失明)、盲導犬ジーン
中山 利恵子さん(先天性全盲)、白杖
中山 利恵子さん(先天性全盲)、白杖
松本 江理さん(途中失聴)、聴導犬チャンプ
松本 江理さん(途中失聴)、聴導犬チャンプ

富澤 佳代

聴覚障害をお持ちで介助犬と暮らしている松本さんの話で、

 

「聞こえない世界で生活していると音がした事にさえ気付くことが出来ない。

 

必要なタイマー・インターホンなどの音の他に、外で誰かが井戸端会議をしている時などの音があります。

 

チャンプと暮らしていると、チャンプの反応を見て、外に目を向ける事で音がしている事に気付けたり、自分だけでは気付く事が出来ない意味の無い音まで知ることが出来るんです。」

 

と聞き、普段、耳が勝手に必要な音を選別して聞いている事を再認識しました。

その後、3つのテーブルに分かれ、まずは障がいのある人の日常をミニ体験として、アイマスクを着用して自己紹介。

富澤 佳代

最初、誰から話すの?

自分は誰の次?

そんな簡単な事が『え?』になりました。

それまで私は、目が見えない方々は私たちからみて「大変」であっても、逆に「得意」もあるのだと思っていた。
わたしたちとは違っていても、成立している世界がある。共有している世界がある。ただ、少し違うだけ、と。

 

けれども実際にマスクを付けて話そうとしてみると、感じたのはとにかく「難しさ」だった。

 

会全体を通じて、誰が話しているのか分かるために発言の際には最初に名乗ること、というルールは周知されていた。けれども視界を塞いで何も見えない状態で会話をするとなると、そもそも自分が話し出すタイミングがつかめない。

 

最初の自己紹介は順番に行ったのでその順に話せばいいけれど、誰かの発言が終わったときに、それに対する感想を伝えるにも、自分の思いをキャッチボールとして伝えるにも、戸惑いの静寂が少し入る。相づち程度に話そうと思っても、人の話を遮ってしまうのではと遠慮がちになる。

 

いかに自分たちが普段、アイコンタクトや「呼吸」で会話の間を繋いでいるのか。そして、目が見えない人にとって、『誰に対して話しているのか』『いま皆はどういう表情なのか』がこんなにも分からないということ。

 

考えたことが無い難しさに、しょっぱなからがつーんと自分の無知を知った時だった。やってみなければ分からない。ごく身近なコミュニケーションである言葉のやり取りがここまで難しいなんて。

菅原 慧子

自己紹介後、「家庭・仕事」、「移動」、「コミュニケーション」という3つのテーマをもとにテーブルごとの対話し、その内容を全体で共有しました。

最後に、協力団体のNPO法人 日本補助犬情報センターの専務理事 橋爪智子さんよりご挨拶をいただき閉会しました。

全体的な流れはこのとおりです。

参加者の声

まちすきリポーター 矢島 加南子

日本に60頭しかいないという聴導犬とそのユーザーさんをお迎えしてお話を聞く機会は、意外なことから予想よりも有意義で豊かな学びの場となった。

主な要因は2人の聴覚障害を持つ参加者がいたこと。ゲストスピーカーは中途失聴、参加者の一人は先天性の聾者、もう一人は難聴と「きこえない」と一口に言っても状況は三者三様。

UDトークというアプリのおかげでリアルタイムで発言が文字化されるという技術も体験。

手話通訳士の方がいらっしゃったのだが、手話の利用度もそれぞれ。UDトークのアプリに映し出される文字情報を読んで他の参加者の発言を確認されていたように見えた。

矢島 加南子

この3人と同じテーブルで話を聞けたことが何よりの学びになった。

 

知識としてだけ知っていた事が、同じトピックについて語り合うことで三者の違いをより鮮明にさせた。

 

同時に、3人が同様に口を揃えていたことは提供される情報量の少なさと日々の判断量の多さだった。

音のみで発される情報が多いと、まず自分の欲しい情報があるのかどうかを判断しないといけない。

その上で自分に関係があるのかないのかから判断しないといけないので人より判断量が多いと(増える)、そして疲れると感じるのだそうだ。

聴者も同様の判断はしているのだろう。しかし、それは一瞬の事で意識の表面にものぼらないような労力で行えるものなのだ。

音のあるなしから判断しないといけないとなると、一体どれ程の力を日々その判断に必要とするのだろうか。聞こえる私には想像するしかできないし、大変だろうなと思うことくらいしかできないとこれまでは思っていた。

しかし、今回の対話の機会で活路を見いだせた。

一つはUDトークという技術。初めてのことで正直「慣れ」が必要だと思った。

一つは集音機がマイクだったので音を拾ってくれると思ってテーブルの真ん中に置いて話してしまったこと。事後になってUDトークの構造について調べてみて音声認識というよりは音声からの変換予測をしているという事を知り集音機にむかって複数人が同時に喋るとUDトークは「混乱する」と判明。発言者は一時に一人、この原則を守るのが慣れないものにとっては中々大変だった。ついいつもの癖で色々と湧き出る質問をさしはさみそうになるのをグッと抑える場面が幾度かあった。

UDトークの使用を忘れそうになったもう一つの大きな要因はズバリゲストスピーカーの口話の上手さだ。聞こえない方々にとっては不本意かもしれないが、本当に聞こえないのかな?と思う程に受け答えがスムーズで聴者と話しているような錯覚を起こした程だ。

口(唇)を読んでいらっしゃるとのことだったが、魔法でも見ているようだった。

6人で1テーブルを囲むサイズですら常に相手にしっかると口物をみせてできるだけハッキリ端的に喋るというのは難しいものだと改めて感じた。

家族の事、社会の事、様々なことを伺った。オリンピックやパラリンピックのもたらす影響についても聞いてみた。知りたかったことが聞けたし、知れたからこそ新たな疑問も浮かんだ。

矢島 加南子

ゲストスピーカーを始め、この機会を与えてくれたみなとくらすのメンバーと実現に力を貸してくださった皆様に感謝した。それぞれの人が障害の有無、立場の違いにかかわらず、このイベントの開催に関わってくれたこと、一人一人の違いがより学びを豊かにし、場も、そして社会も豊かにしていると改めて思えた。

 

「みんなちがってみんないい」といった金子みすずさんのような見方が一人でも多くの人に広まりますように。

「違い」は問題ではない。寧ろ、豊かさの証だ。

 

一人では届かない高みにも二人、三人なら・・。人はそれぞれの違いによって1+1を3にも4にもしていける。そう確信したイベントだった。

まちすきレポーター 斎藤 百合恵

今やインターネットやスマートフォンが生活から切り離せない方も多いはず。わたし自身もその一人です。

斎藤 百合恵

今回のまちすきでは、わたしは視覚障害を持つ碇谷さんと同じグループでお話を聞き、目の見えない方がどのようにスマホを使っているかを教えていただきました。

例えば、遠出をしてカフェに行くような時は、わたしはスマホを片手にインターネットでお店を探し、地図アプリや乗り換え案内アプリで行き方を調べます。

「碇谷さんはどうやってるんですか?」と聞くと、インターネットで調べますよ、とさらりとしたお答えが。

webサイトを音声で読み上げてくれる機能を使ってお店を探し、行き方を調べるんだそうです。とはいえお店の入り口がどこかなど細かいことまでは調べられないので、最後の最後には現地に行って人に聞く!ということでした。

iPhoneにはVoiceOverという読み上げ機能があります。タップしたボタンやアイコンの名前を読み上げて、ここを押すと何が起きるのか、何が書いてあるのかを教えてくれます。特別な機械を買わなくても、誰もが持っている道具の中に、インターネットをバリアフリーにする手段が備わっているんです。

こういう機能の存在は知っていたものの、目の不自由な方も自分と同じようにスマホから情報に接していることは衝撃的でした。

目が不自由だからインターネットを使えないということではなく、ただ情報を得る手段が違うだけ。

「できない」を「違う手段を取ればできる」に変えられる技術の進歩は素晴らしいなとただただ感動を覚えました。

ただ一方で、読み上げ機能を使ったインターネット体験はまだまだ快適からはほど遠い現状も教えていただきました。

音声で目次を聞き、メニューを選択して次の画面を開くので、ウェブサイトの情報が構造化されていないと目当ての情報を探しにくいんだとか。

SNSは情報が新しい順に羅列されるので、特にわかりづらいそうです。

読み上げ機能でインターネットを見る人にとって読みやすい情報の出し方は、実はほんの少しの知識と気遣いがあれば簡単にできることです。でも、「目の見えない人もこの情報を見ているんだ」と気付けなければ、配慮ができない。

また、インターネットを使う支障になる障害は視力のみではありません。色の見え方が違う色覚障害、文字を判読するのが難しいディスクレシア、日本では少ないけれど文字の読めない文盲の方や、非日本語話者の方。世の中にはさまざまな人がいて、情報アクセスの難しさは様々な場面で起こります。

斎藤 百合恵

バリアフリーはハードとソフトの両方が必要とは言われますが、インターネットをバリアフリーにするためにも、iPhoneのようなプラットフォーマーと情報を作るユーザー双方の努力が必要不可欠なのだなと感じました。

 

誰でも情報を発信できる時代が、誰もがバリアを作ってしまう時代にならないために、できることはなんだろうかと考えさせられました。

 

ウェブサイトやサービスを作る方へ。「ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG)2.0」気になる方は探してみてください。

まちすきレポーター 富澤 佳代

自己紹介のあと、各テーブルに分かれてゲストスピーカーさんとのテーマトーク。Bテーブルは生まれつき全盲の中山さん。とても明るくテンポの良いトークで色々教えてくれました。

テーマである移動については、「盲導犬をなんで使わないのか」と聞かれる事があるそうです。

白杖と盲導犬を使うかの違いはコンタクトを選ぶかメガネを選ぶかの違いに似ていて、自分に合った方を使っていると聞いた事に納得しました。

また、点字の電子書籍を指を滑らせて音読してくれて、中山さんの当たり前が凄技過ぎて、指先をすすめて読んでいく手元に釘付けになりました。

富澤 佳代

今回、障害者理解のこの会を通して感じた事は、

 

聞こえないから目を、口を、表情を見て話す事

見えないから分からない事、思ってる事を口に出して言う事

話をしている人の言葉を遮らずに最後まで聞く事

 

疎かにしがちな基本のコミュニケーションが大切だと気付けました。

そしてどんな事が出来るのかを知る事で、街で見かける障害者の方へ『お手伝いする事はありますか?』と一言声をかける一歩になると思いました。

まちすきレポーター 菅原 慧子

わたしたちは、想像することができる。自分が経験していないことでも、想像しながら、寄り添うことができる。手を貸すことができる。

その思いも大切だと思うけれど、でもやはりそれだけでは足りない「経験」することの強さを今回のまちすきで改めて強く感じた。

自分が「知らなかった」ということを知る、その0地点を知った瞬間から、会話だけでもこんなに難しいならば、ではこれは?知らない場所に行くにはどうしたらいいの?街中の音はどう聞こえるの?生活のあらゆることへの疑問がぐんと広がった。

それらの質問に、同じテーブルの視覚障がい者の方はとても丁寧に回答してくださった。

普段の生活での不便さ、私たちにとって便利になっていると思えることがもたらしている不便さへの想像が一つ身近になった気がした、貴重な経験だった。

菅原 慧子

生活していて、「未知」に出会うことは少ないけれど、こんな少しの行動で理解が深まるのだなと痛感した。

「まずはやってみること」の大きさ。

 

アイマスクを付けて、会話してみてください。

学校やその他の場でも、気軽にできて大きく気付ける・学べるきっかけになる。

 

そう感じた出来事でした。

協力団体

NPO法人 日本補助犬情報センター
補助犬の社会における理解と普及を目指した活動とともに、障害者の社会参加・社会復帰を推進する事を目的に、第三者機関として中立の立場から相談・情報提供を行っている。

NPO法人 日本補助犬情報センターのホームページはこちら

参加者の感想

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