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【ライフデザインラボ通信38号】(令和6年6月号)能登で実感、コミュニティの大切さ

こんにちは!ライフデザインラボ所長の船本由佳です。
月に一回のメールマガジン『ライフデザインラボ通信』でラボの活動情報をお届けします。

6月上旬に地震で被害を受けた奥能登にボランティアに行ってきました。ラボのメンバーで防災士のsumiさんこと石川澄江さんが先に現地で活動をしていたところに合流しました。
能登町ではいくつかの避難所が開設中。同時に仮設住宅への入居も進んでいました。道路に地割れが残るところも多くあり、公費解体がようやく始まったというくらいで倒壊状態の家屋の多くが残っていました。
5月、輪島市の仮設住宅で一人暮らしの70代女性が亡くなり、石川県内の仮設住宅では初の「孤立死」となりました。「どうすれば死を防ぐことができたのか」2度と犠牲を出さないために現場は引き締めて活動が行われています。
2004年の新潟県中越地震以来、災害時に「生活不活発病」が起こると言われ始めました。周囲の道が危なくて歩けない、職を失った、避難所ですることがない、周りの人に迷惑になるからと動かないということもあります。すみ慣れた家を離れることで炊事や掃除の頻度が減ったり、庭いじりや農作業ができなかったり、地震の後だからと遠慮して散歩やスポーツ、趣味をしなくなったり、居所が変わることで人との付き合いが薄れ外出する機会も少なくなりがちです。
意識しないうちにじわじわと動く習慣がなくなり、いつの間にか動きづらい体になり、地域活動への参加も億劫になってしまう。この「生活不活発」な状態が、もともと個人が持っていた疾患や心の病と重なることによって災害関連死の原因の一つにもなるとされます。
仮設住宅に入るとプライバシーが保たれる一方で外からの目が届きにくくなり運動する機会も少なくなるといわれています。

そこで、私がボランティアとして活動に参加した「復興支援JOCA能登町チーム」では、他の団体と連携しながら仮設の見守り活動の一環で、集会所などで健康のための体操やレコード鑑賞、JOCAカフェ(お茶会)などのレクリエーションを実施しています。参加を呼びかけることをきっかけに会話が発生したり、何気ないやりとりからその人の健康状況や困り事を察知していきます。
仮設住宅の集会所でsumiさんが手慣れた様子でお茶の準備をして受付名簿の管理をしています。「ラボが神奈川県内の団地の集会所でやっている活動と一緒だね」と話をしました。
居場所に集い、ゆるやかに顔見知りを作っていく活動は、被災地が日常を取り戻す一歩でもあるんですね。コミュニティ形成の大切さを再認識する経験でした。

被災した人が前に進む力はバラバラです。それぞれのペースで進んでいます。全員に等しくなされる支援とは別に、個別の支援も必要になってきます。
「孤独死を出さない」という強い思いをもち、目的を持って穏やかにヒアリングをすることが、もともと存在していた要支援者を浮かび上がらせることになります。それは被災地だけではなく、日本の各地地域でも必要な活動なのだとも感じました。

災害や減災について、未来はわからないので過去から学ぶことしかできません。
今の能登をしっかりと見て、支援して、能登らしい復興を見守ることが、未来のわたしたちの防災力を高めることになると感じています。これからも学んでいきたいと思います。

ライフデザインラボではラボ的な活動として関係案内所機能を再展開させていきます。
benten103も含めリアルな場所で「関係案内所」的な活動をすすめ、住民の方や地域活動をしている人の交流のきっかけを作っていけたらいいなと考えています。7月2日には夜のイベントも開催しますのでお気軽にお越しくださいね。

ラボのメルマガは毎月第3金曜日にお送りしています。
月に1回のライフデザインラボの活動報告、ぜひ読んでください。

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 市民ライターまゆみの取材ノート
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5月25日、26日の週末、日本大通りでかながわMIRAIストリートが開催され、ライフデザインラボは、神奈川県住宅供給公社のブースで「公社ビルの仮囲いにお絵描きしよう」というキットパスを使ったお絵描きイベントを企画運営しました。土曜日には、二宮団地にお住まいの作家さんによる竹細工の実演、日曜日は、参加者みんなで一つの作品を作りあげるアート体験を行いました。2日間で、のべ900人の方々にご参加いただいたようです。ありがとうございました。
当日は、ラボの研究員がみなさんを迎えつつ「はじめてばこ特典手形足形アート体験」のイベントでお馴染みのあいちゃん(萩原知子さん)、君ひとみさんはじめ、キットパスアートインストラクターの方々にサポートに入ってもらい、大人も子どもも、あちらこちらで会話が弾む温かい場になりました。今回、初めて設けた“消し消しタイム”も、子どもたち含めてみんなで協力しあい、大盛り上がり。楽しそうな笑顔であふれていました。
外向きに開いたイベントを開催することで、はじめましての出会いがあったり、久しぶりの再会があったり、そこでコミュニケーションが生まれていることを実感しました。
0歳ではじめてばこを受けとった我が子ももうすぐ3歳。自分の足で歩き、拙いながらも言葉を話すようになりました。
イベント参加を通してライフデザインラボを知ったという人たちが、また会いに来てくれて、子どもの成長を分かち合ったり、親交を深めたりする機会をこれからもつくって、お伝えしていけたらいいなと思います。
担当はほんだまゆみでした!

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