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[イベントレポート] ニュースをいろいろ読んでみよう!子どもが学ぶ情報リテラシー

船本所長

ライフデザインラボではさまざまな経験・専門領域を持ったメンバーが、ラボらしく「実験」と称して思いと狙いを持って活動をしています。

多様な取り組みと企画者の思いをお伝えします。

ラボのメンバーでもあるNPO法人森ノオトが

子どもと一緒に情報の受け取り方を学ぶ

ワークショップを制作しました。

2021年12月にラボで行ったテスト開催をもとに、2022年2月3月に市内で巡回開催することになりました。

持ち寄った新聞を読んで、気になる記事を切り取り、みんなで話し合います。
立場の異なる人の意見に耳を傾け、確かな情報を掴み取るコツを体験できるワークショップです。

情報リテラシー教育、待ったなし!

情報リテラシーとはインターネットやテレビやラジオ、雑誌などで得られる情報をきちんと受け取り活用できる力のことです。

誰もが発信できる世の中になり、真偽不確かな情報も目にするようになってきました。IT時代を迎え、受け取るためのメディアや端末も多様化しました。便利な世の中になった反面、大量の情報の中から、自分が必要な情報を収集し、判断し、活用していく必要があります。

2021年度から「1人1台端末環境を令和の学校のスタンダードにしていく」ことを目指す、GIGAスクール構想が全国で本格化しました。横浜市の公立小中学校では児童・生徒への1人1台のパソコンやタブレット端末の貸与が始まり、9月には緊急事態宣言延長を受けて端末を使った遠隔授業に踏み切った学校もあります。

親である自分が子どもをどうフォローしたらいいのかわからない、と悩む人も多いのではないでしょうか。

そんな中、2021年12月、寄付月間のイベントの中で子ども向けの情報リテラシーワークショップ「子どもが学ぶ情報リテラシー ニュースをいろいろ読んでみよう」をテスト開催することになりました。

まわしよみ新聞ワークショップとは

ワークショップでは、最初に情報リテラシーについてのミニレクチャーを行い、そのあとは「まわしよみ新聞ワークショップ」を行います。

まわしよみ新聞とは、2012年にむつさとしさん(観光家/コモンズ・デザイナー/社会実験家)が考案した「メディア遊び」です。遊び方が公開されオープンソースになっており、まちづくりや教育などの分野でさまざまな人たちによって活用されています。2017年には読売教育賞最優秀賞を受賞しています。

「まわしよみ新聞ワークショップ」は4〜5人1組のチームにわかれておこないます。(1)新聞を読んで気になる記事をハサミで切る(2)どうしてその記事が気になったのかをみんなに伝える(3)みんなが気になった記事をスクラップしてみんなの「まわしよみ新聞」を作る、という内容です。

12月に行ったテスト開催では  

神奈川新聞や朝日新聞などの一般紙に加えて、神奈川県を中心にタウン紙を発行する「タウンニュース社」が子ども向けに年に4回発行している「子どもタウンニュース」や、新聞各社が発行している子ども新聞や中高生向けの新聞などを持ち寄りました。

参加したのは小学1年生から中学3年生までの7人の子どもたちと4人の大人です。

なるべく年代が幅広くなるように、家族が分かれるようにグループになって、2つのテーブルでワークを始めました。

まずは新聞を手に取り、記事を読んでいきます。そして気になる記事を切り抜いていきます。子どもたちは、恐竜の化石発掘に関する記事、女性の活躍に関する記事など、さまざまな分野の記事から選んでいきました。また占いコーナーや4コマ漫画を選ぶ子どもたちもいました。

写真や広告でもOKです。新聞はどこを切り取っても時代を反映した情報に溢れています。

1人3枚以上を目安にどんどん読んで、切り抜いていきました。

そのあとはなぜその記事が気になったのかをグループのメンバーに伝えます。

興味がある記事だけを見ていくネットサーフィンと違い、紙の新聞は読む人が知らない分野のニュースも目に入ってくるというのも特徴です。

また、記事の配置の仕方などを見て、情報のプロである新聞記者たちの考えに気づくこともできます。

何より読者である自分たちが、同じ紙面を見ていても注目する記事が違うということや情報の受け取り方が違うという、「違い」に気づくことがポイントです。

家族ではない人、同学年ではない人の考えを聞き、同じ情報を見ても受け取り方がさまざまであるということを実感していくことが、他者理解につながっていきます。

他者との違いを感じることが自分を理解することにもなります。

2月3月に4カ所で開催します!

2月以降にワークショップを巡回開催するにあたり、協力団体を募りました。

横浜市中区で企業型保育施設を核に放課後の居場所事業や地域食堂に取り組むピクニックルーム、横浜市青葉区の私設図書室たまプラーザ駅徒歩2分図書館(ぷらに)、横浜市中区で放課後の居場所事業を行うみんなの放課後クラブ、横浜市港北区大倉山商店街のソーシャルスペース大倉山おへそです。

各団体の地元で開催できることで、それぞれの皆さんの日頃の活動や地域のつながりを知ることができ、共に活動をすることでさらに親交が深められることも楽しみです。

インターネットの発達でいい意見も悪い意見も見えるようになってきました。自分好みの情報が出やすくなるネットの仕組みにより考え方が偏ってしまったり、答えが既にネットにあると思い込んで自分で考える努力を怠ったり、批判が怖くて自分の意見を言えなかったりというのは大人でも陥る状況です。

考えの違う他者の意見を受け止め、自分の意見を言うことができるために、安心できる環境で練習できるといいですよね。

このワークショップをきっかけに、ご家族で、地域で対話を生み出し、ニュースを話のきっかけにして日常的に意見交換できるようになっていくといいなと思っています。

イベントのお知らせ

『ニュースをいろいろ読んでみよう!子どもが学ぶ情報リテラシー』

2022年
2/23(水)10:30〜12:00 横浜上野町教会(中区) 
2/27(日)10:00〜11:30 大倉山おへそ(港北区)
3/12(土)10:00〜11:30 ライフデザインラボ(中区)
3/19(土)10:00〜11:30 たまプラーザ駅徒歩2分図書館ぷらに(青葉区)

主催 森ノオト
共催 ライフデザインラボ・株式会社ピクニックスクール・たまプラーザ駅徒歩2分図書館ぷらに・みんなの放課後クラブ・大倉山おへそ